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開催年月日 |
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話題提供者 |
46 |
平成20年12月 4日 |
病理解剖の果たす役割―とくに生命・医療倫理と関連して |
井内 康輝先生 |
講演題目
病理解剖の果たす役割 ―とくに生命・医療倫理と関連して
講演者
大学院医歯薬総合研究科病理学 井内 康輝
講演要旨
病理学は疾病の本態を追究する学問であり、これまで医学の教育・研究及び医療の発展において大きな貢献をしてきたが、そのルーツは病理解剖にあるといえる。病理解剖によって疾病にもとづく臓器・組織の変化をみることは、疾病の病因を探究し、新たな治療を開発する第一歩である。しかし、死体に損傷を与え、臓器・組織を固定して保存するという行為には、大きな倫理的制約があることも忘れてはならない。
今日では、生検や手術によって患者から得られる材料が豊富にあり、疾病の研究面ではこれを用いることが多く、病理解剖の役割は医学生・研修医などの教育や医療での貢献に重点が移りつつある。さらに近年、患者の死因の究明を通してmedical
audit(医療監査)の役割が重視されているが、現在検討されている診療関連死に関する調査委員会における病理解剖の役割が、これと軌を一にするものである。
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