医療と倫理を考える会・広島
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第56回例会


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56 平成23年8月18日 「医療安全とインフォームドコンセント」 菅田 智子 様

 
 広島大学病院の「医療安全管理部」は、安全な医療を提供することを目的として,平成14年4月に病院長直属の部署として位置付けられました。
 医療安全管理に関する基本的な考え方として、あらゆる医療事故の発生時,適切な対応が可能な体制を確立すると同時に医療事故の予防・再発防止対策を確立し,本院で提供する医療の安全を実現するために,次に掲げる「医療安全に関する基本姿勢」に基づき,安全管理指針を原則としています。当院における医療安全管理のための指針は以下の4つです.
  1. 十分なIC(インフォームドコンセント)に基づく患者との良好な信頼関係のもとに,全人的医療を提供すること
  2. 日常診療の現場において,密室性を排除し,積極的なインシデント報告の提出を励行すること
  3. 医療従事者の基本的対応の徹底と質の向上を図り,一人一人の意識の向上を図るために研修会を定期的に開催すること
  4. 医療人一人一人の意識改革,医療の質の向上及び安全管理体制の確保を図るための委員会等の体制を整備すること
 また,指針の1.を充実するために,平成19年より院内統一のインフォームド・コンセント策定に着手しました。 インフォームド・コンセントの目的は, 患者の「自分自身が納得のできる医療を受けたい」という自己決定権を支援するため、患者の信条、宗教のいかんに関わらず、医療側は出来る限り情報を公開し、患者による十分な理解を得た上で最良の医療ならびに看護を提供することです.インフォームド・コンセントを行う上においては、そのプロセスにおけるコミュニケーションの重要性は認識していますがまだまだ問題は山積しております.そこで,今回はインフォームド・コンセント以外にも医療安全管理上の問題を提起するとともに,皆様方からのよいアイデアを頂戴したいと思い参加させていただきました。

 会場では,他施設の医療関係者や現在も当院に通っておられる患者さん,その他一般の方々による,活発な意見交換が行われました.医療安全の具体的広報の方法から,現代の教育問題まで幅広い内容となりました.私自身,目から鱗のご意見や,分かってはいるけれどできていない耳の痛いご意見まで頂戴することができ,たいへん貴重な時間を過ごすことができました.また,このような機会を与えていただきました石川先生に,この場をお借りしてお礼申しあげます.

 
菅田 智子
 (すがた ともこ)
     広島大学病院 医療安全管理部 副部長 兼 専任リスクマネジャー



                                      
広島大学病院医療安全管理部の案内ページ
http://www.hiroshima-u.ac.jp/hosp/cyuoshinryo/anzenkanri/index.html


                             



 

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