医療と倫理を考える会・広島
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第60回例会


開催年月日   テーマ  話題提供者
60 平成24年4月19日 「がん医療における情報開示のあり方
   −がん検診で寿命は延びるのか?−
佐伯 俊成 先生

 

 

テ ー マ  :  がん医療における情報開示のあり方
           
  - がん検診で寿命は延びるのか? -
 
 話題提供者 : 
佐伯 俊成 先生 
            広島大学病院 総合内科・総合診療科 准教授

 講演要旨 :

●1981年(昭和56年)に「悪性新生物」すなわちがんが
日本人の死因のトップの座について以来,すでに30年以上が経過した.
しかし,がんによる死亡者数はその後も減少することなく,
あまつさえ増加の一途をたどり,今や年間34万人を超えて
依然わが国の死因トップの座にある.
その大きな要因として,診断技術の向上による早期がんの増加,
人口の高齢化に伴うがん罹患者数の増加,などがよく取沙汰されるが,
同じ条件下にあるはずの心筋梗塞や脳卒中といった血管系疾患の死亡者数は
近年明らかな停滞ないし減少傾向にあり,がんとはまさに好対照をなしている.
●確かにごく一部のがんは根治するようになり,
多くの初発がんの5年生存率も次第に向上してきているが,
再発・転移したがんがいまだに極めて致死的であることは紛れもない現実である.
そして世界に先駆けて超高齢化社会に突入しつつあるわが国のこうした状況は,
実は他の先進諸国でもさほど変わりなく,
むしろわが国はこれから高齢化していく先進諸国の近未来を
先取りしている様相さえある.
●本会では,がん予防の現況,がん検診の妥当性,「がん戦争」の現状,
がんが治らないときの心構え,長生きの秘訣,といった,
がん医療ひいては医療全般にかかわる真の情報について概説する。




 

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