医療と倫理を考える会・広島
本文へジャンプ

第65回例会


開催年月日   テーマ  話題提供者
65 平成25年2月21日 「心筋梗塞専門医のジレンマ
  − 救うべきは命か気か、病院か国家か −」
土手 慶五 先生


          心筋梗塞専門医のジレンマ
             − 救うべきは命か気か、病院か国家か −

広島市立安芸市民病院 循環器内科 主任部長
 土手 慶五  



 人はPPK(ピンピンコロリ)を望むが、一方で自分の親よりは長生きしたい。日本人にとっての老衰は今や90歳であろう。科学が進めば進むほど「朝に紅顔なれど夕べには白骨」はより一層現実味を帯びて現代人に迫るべき事実である。しかし、科学を妄信する日本人は、突然の死が、自宅での死が受容しがたい理不尽な死になっている。心筋梗塞専門医として、30年間CCUに勤務した医師として、K(コロリ)の機序を医学的に解説し、心筋梗塞の治療により天命を変えたかと陶酔する瞬間があることを示す。しかし、その科学の粋を極めた治療法を万人に施せば、一つの病院は黒字になるが国家は破綻する。そのジレンマの中で、現場にできることはなんであるか、共に考える機会としたい。














 

Copyright:医療と倫理を考える会・広島