医療と倫理を考える会・広島
本文へジャンプ

第69回例会


開催年月日   テーマ  話題提供者
69 平成25年10月17日 心と体で訪問看護
    ―訪問看護ステーション20年―
板谷 裕美 先生


 「心と体で訪問看護 ―訪問看護ステーション20年―」

安芸地区医師会総合介護センター    
統括所長 板谷 裕美


 安芸地区医師会訪問看護ステーションは今年20年を迎え、様々な看取りに関わってきた。
開設当初の利用者は認知症や老衰により、ゆっくりと徐々に機能が低下して看取りとなるケースに関わっていた。健康保険法の訪問看護が始まると共に、最後の2か月位で急速に機能が低下するがんの利用者や医療依存度の高い小児の訪問も増えてきた。
 在宅では医療支援だけを考えればよいわけではなく、生活支援も同等に考えなければ在宅療養は維持できない。入院医療の目標は在宅復帰であることから、病院においても地域での生活に視点を置いた支援が必要である。

 安芸地区医師会総合介護センターでは、自宅で亡くなられた利用者宅に遺族訪問を行なっている。この流れの中でわれわれ医療者だけが関わるのではなく、同じ立場の遺族とコミュニケーションを図れる場所の必要性を感じ遺族会「秋桜の会」を始めた。

 訪問看護ステーションの管理者たちの発案から始まった「在宅緩和ケア事例検討会」は病院と地域のさまざまな職種が集まり医師会主催の取り組みとして12年目を迎えた。
 この会の目的は安芸地区内の支援体制を構築し各職種のレベルアップを図り、より充実したケアを目指すものであり、構築した資源として、①薬剤師会会営薬局によるクリーンベンチ設置による無菌調剤・在宅宅配システムによる供給・麻薬処方②持続注入用ポンプを安芸地区医師会で購入③「在宅におけるがん疼痛マネジメントの薬物療法」マニュアル④「安芸地区医師会在宅診療機能情報」作成・配付⑤HPNクリニカルパス(マツダ病院)⑥ホスピスボランティア養成⑦退院支援システム委員会⑧安芸地区防災医療ネットワーク会議などがある。

 今回の提供する事例は地域の中で見守られ、にぎやかに静かに看取られたケースと介護者に拒否されながらも病院関係者のアプローチにより自宅に帰り、在宅ケアチームの支えを受け自己の役割を果たしたケースを紹介する。




安芸地区医師会総合介護センター ホームページ:
http://www.aki.hiroshima.med.or.jp/memberpg/kaigocen.htm




 

Copyright:医療と倫理を考える会・広島