「広島県の医師偏在を考える!」
広島大学医学部地域医療システム学講座 教授
竹内 啓祐
ノブレス・オブリージュという言葉がある。
医師には医療の独占、自律といった特権と引き換えに社会的責任や高い倫理観が要求される。
医師偏在においてこれらをどう考えればよいだろうか。
医療は教育とともに重要な社会的共通資本とされており、教育はどんな離島であっても保障されているが、医療は無医地区の定義を満たさなければ政策的には対象外となる。
日本国憲法第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあるが、片や医師の人権はどこまで考慮されるべきであろうか。
診療科偏在も時に深刻だが、分娩や救急医療などは公共財としてどこまで保障されるべきだろうか。
広島県内のこれらの状況を提示しながら、医師偏在という医療における倫理的ジレンマについて一緒に考えてみたい。
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