医療と倫理を考える会・広島
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第75回例会


開催年月日   テーマ  話題提供者
75 平成26年10月23日 患者の意思決定を支援する
  〜アドバンス・ケア・プランニングについて〜
本家 好文 先生


 患者の意思決定を支援する
  〜アドバンス・ケア・プランニングについて〜


広島県緩和ケア支援センター センター長
 本家 好文


 終末期がん医療において、本人の意思が確認できないために、どのような医療を提供して、どこで過ごしてもらうのが良いのかという判断に迷うことも多い。終末期になると意思決定が必要な時に、意思決定能力がなくなっている場合が半数以上あることも分かっている。
 これまでは、終末期に患者の意思を尊重するために問題とされてきたのは、主にDNAR(Do Not Attempt Resuscitate)についてであった。DNARは「末期状態で心停止や呼吸停止をした際に、蘇生処置を行わない」という限られた約束と言える。またアドバンス・ディレクティブ(Advance Directive:AD)は事前指示とも言われ、将来判断能力を失った際に、自分が受ける医療行為に対する意向を前もって示すことである。
 それに対してアドバンス・ケア・プランニング(advance care planning :ACP)は「もしもの時に備えて」自分が大切にしていることや、「して欲しいこと」「して欲しくないこと」について、患者と家族、医療従事者が一緒に話し合い、その内容を文書に書き残すという手順(プロセス)のことを指す。
 考え方のポイントは、自分で判断できなくなった時のために、あらかじめ代理意思決定者を決めておくこと。年齢や状況によって「希望」は変化することを前提として、繰り返して話し合うプロセスが重要と考えていることである。
 ACPを行う目的は、どのような状況においても、患者の意向が尊重されることであり、本人の判断能力が低下した場合に、家族への心理的負担が大きくなり過ぎないようにするためでもある。
 今後、地域においてACPを広げていくためには、医療従事者だけでなく、介護福祉関係者、行政などとも協力していく必要がある。




広島県緩和ケア支援センターのホームページ:
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/gan-net/muki-gaiyo01.html

広島県地域保健対策協議会(ACPの手引き)のホームページ:
http://citaikyo.jp/other/20140303_acp/index.html




 

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