感染症の変遷と危機管理
広島県感染症・疾病管理センター センター長
桑原 正雄
17世紀に光学顕微鏡、19世紀以降に細菌やウイルス、20世紀以降に抗菌薬が発見されて、感染症が科学的に解明されるようになった。他方では、環境などの変化から感染症も変遷している。最近特に注目されている感染症は、新興感染症や再興感染症であり、死亡率が高く、パンデミックの危険性がある新型インフルエンザ、MERS、エボラ出血熱などへの対応が極めて重要となる。感染拡大を防ぐためには、感染症法に沿った迅速な対応が必要で、県内の司令塔としての広島県感染症・疾病管理センターの役割は大きい。今年は薬害エイズ和解20年だが、この経緯を含めて話題提供とし、感染症医療と倫理について考えてみたい。
広島県感染症・疾病管理センター(ひろしまCDC)
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hcdc/